Miyashita Mariko

2011年8月アーカイブ

再興第96回院展

201.8 001.JPG毎年、夏の1ヶ月間は9月から展示される大作のために休みなくアトリエにじっと篭って制作をしています。

その作品は出来上がったからといって必ず展示される保障はありませんが、作家活動を続ける上で最も大切な研鑽の場を与えられたと思って毎年大作(例年150号、本年100号)の制作を続けています。

そんな作品を出品する秋の院展は厳格な審査のある展覧会です。

そして毎年大御所の先生方も駆け出しの新人も同じ場に新作の大作が並ぶというものです。

 

本年も無事に秋の院展に入選することができましたので、展示のお知らせをすることができました。

いい報告ができるのは嬉しいものです。

 

>>制作が締め切りに迫るといてもたってもいられず、搬入当日は早朝に目覚めて薄暗いうちから気になるところに手を入れるということをしていました。

 

 

201.8 003.JPG・・・これから搬入というのに潔い行動はとれず、どうしても気になるところは気になってしまいます。でも、朝日に照らされた私のアトリエで眺める絵は、なぜかよくない部分が浮き彫りに見えてしまいます。

朝の清い光には敵いません。

 

>>そして、ついに搬入。

額をつけて運んでもらいました。今年までは100号のスクエアサイズです。

今年の作品は、いつもよりも遠景気味に風景を捕らえた作品を作ってみました。取材場所はスウェーデン・ストックホルム ニブローハムネン埠頭の風景です。

・・・いつもは風景というよりも、建造物主体でテーマを決めていましたが、今年はその場の空気感や奥行き・広がりといったものも意識しています。うまくできたかわかりませんが、それも研究と思い、試行錯誤・・・。

 

できることばかりではなく様々なモチーフや情景・テーマを様々な色彩や技法を用いて、これからもいろいろと挑戦して描いていきたいと思います。失敗しても、成功しても、挑戦し続ける心を忘れず前進したいと思います。。。

 

お時間ございましたら是非お出かけくださいませ。

 

 

再興第96回院展

9月7日(水)~9月19日(月・祝)休館日なし

10:00~18:30(閉場は19:00)※最終日は17:00まで(17:30閉場)

会場:東京 日本橋三越本店 本館・新館7階ギャラリー

三越HP:http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/inten/

日本美術院HP:http://nihonbijutsuin.or.jp/

※入場料(800円)です

8月の行事

秋の院展の制作真っ只中にPCがクラッシュしてしまい、制作がひと段落するまでPCをいじることができずにおりました。
状況は未だに解決したわけではないのですが、なんとかBlogをUPできる状況になりました。
PCは8年使ってるのでそろそろ寿命が来ても仕方がないかな・・・と思っているのですが、長年苦楽を共にした相棒ですのでそう簡単に買い替える気にもなれず、どうしようか考え中です。

そうこうしているうちに、秋の院展の制作も終了しました。
搬入翌日というのは気もそぞろなので、一日 目一杯外出と決め込んでいます。

昨日はそんなわけで八ヶ岳の方へ朝から出掛けていました。
DSCN3442.jpg

兼ねてより探しに探していた彫刻家具作家・田原良作さんの工房にお邪魔しました。

私が初めて銀座で個展をした時のギャラリーにおかれていた応接セットや家具が田原良作さんの作品だったのですが、その頃からずっと気になっていました。ただ、当時はとても入手できる状況ではなかったので、そのまま聞かずに年月が経過してしまい、その作品についての情報が全く分からないままになっていました。
最近になって、あの頃のあの作品がとても気になり、ずっと探していました。
ようやっと田原さんの作品であることがわかり、ここまで辿りつくことができました。

 
ギャラリーで沢山の作品を見せていただき、触ったり座ったりさせてもらい、田原さん本人にもお会いできて沢山お話を伺うことができ、とても嬉しい一日でした。ついでに工房まで案内していただきき、さまざまな木材や、それが形になる所まで見せてもらいました。

元々田原さんは純粋芸術の彫刻家で、インダストリアルではないものを制作していたそうですが、現在のスタイルになるまでのお話しはとても興味深く、人生の重みを感じました。



 
DSCN3443.jpg

>>田原さんのひじ掛け無しの代表作である「りんご椅子」

概ね椅子というものには体を支える為に背もたれやひじ掛けがついていますが、これはそういったものをすべて排除し、支え無しに人間が本来持っている体の機能を最大に引き出して背筋をまっすぐに保ち座ることができる椅子です。

良い姿勢が保たれるということは、周りからの支えで成り立つのではなく、座る本人の体が一番の支えになっているということ。尚且つそうやって座ることは長く座っていても疲れないという、なんとも哲学が詰まった椅子なのである。

初めてこの椅子の原型を作った時は、雪の上にポンとお尻を置いて、そのくぼんだ形を手ですくい取ったような形状からスタートしたと伺いました。


道具としての椅子ではなく、座ることを愉しむ椅子、見ていると触りたくような椅子、そんな椅子を見てきました。

椅子といえば何も考えないでいればただの腰掛。道具であり、同じ型から生まれた工業製品もある。

しかし、田原さんの作品をみているとそれがすべて覆されてしまい、一点一点が生き物のようにうごめいて息をしている。それぞれ個性があり、温度がちがい、話しかけてくることも違う。

そんなやわらかな生き物を一つ私のアトリエに置くことにしました。


やわらかなフォルムはいつまでも撫でていたい丸みを帯びています。
「こんなに撫でまわしていたら汚れてしまいませんか?」
と聞いたら
「撫でていた方が埃も汚れも付かない。むしろよく使って頂いた方がいいツヤが出て味も増すものです。そういう風に、木の持つ強さ・・・天然の色やその素材の特性を生かした作り方をして仕上げていますから。」
と言われた。
高精度の工業製品に勝る手わざの極みを垣間見た気がしました。

初めての個展会場に置いてあった椅子。その思い出と初心を忘れない為に大切にしたいと思います。


田原良作の良工房
〒408-0033
山梨県北杜市長坂町白井沢2484
TEL:0551-32-7155

肉体労働

「絵を描いている」と言うと優雅なような印象を持たれますが、大作は概ね肉体労働にほかなりません。

大きいからしんどいです。

DSCN3416.JPG

この時期は秋の院展の制作時期になります。

 

ちょうど個展が終わってひと段落・・・という間もなくこの大きなパネルの準備に入りました。

それでも、個展明けで怒涛の忙しさの疲れからか体が思うように動かずに、ドーサ引き→裏打ち→張り込みをするのに1週間ほどかかってしまってかなりのタイムロスに・・・。

決して時間に余裕があるわけではないので後々しわ寄せがやってくるといういつものパターンになりそうです。

 

現在は地塗りを終えてひたすら線描の日々・・・この大きな画面に張り付いて、ピッチリ線を引き上げるのにかなり腕へ負担が。これまでの長時間制作の影響で、敢え無く腱鞘炎になってしまった私の腕は夏なのに暑苦しいサポーターで固定されております。

 

兎に角手数を必要とする私の作品には腕のサポーターは欠かせないアイテムになってしまいました・・・。